めまい
「めまい」は、からだのバランスを保つ機能に障害が起こると生じます。「めまい」の感じ方は、「自分のからだが回っている」、「自分のまわりの地球が回っている」、「雲の上を歩くようにふわふわする」、「谷底に引きずり込まれるように感じる」など、さまざまです。からだの平衡をつかさどる器官には三半規管、耳石器、前庭神経、脳幹、視床、大脳皮質があり、このどの場所が障害されても「めまい」がおこります。「めまい」を大きく分けると、「耳から生じるめまい」と、「脳から生じるめまい」、さらに「お年寄りに多いめまい」の3つに分けることができます。
- 耳から生じるめまい
内耳にある三半規管と耳石器からの感覚情報は前庭神経によって脳幹へ伝えられます。これらの器官に障害があると「めまい」を生じます。これらは、「めまい」と同時に耳鳴り、難聴、耳閉感があらわれ、また「めまい」と平行して軽快します。
耳が原因で「めまい」をおこす疾患例
1.メニエール病 2.前庭神経炎 3.突発性難聴
4.聴神経腫瘍 5.抗生物質などの薬物からおこるめまい
- 脳から生じるめまい
脳が原因でおこる「めまい」は、耳鳴りや難聴などをともなわず、耳から生じるめまいに比べて軽いことが多いです。脳の障害による特徴的な症状は、物が二重に見える、顔や手足がしびれる、力が入らない、手がふるえるなどの症状です。また、「耳から生じるめまい」は何度も何度も同じ「めまい」を繰り返すことが多いのですが、「脳から生じるめまい」は、いままでに経験したことのないような「めまい」であることが多いです。
脳が原因で「めまい」をおこす疾患例
1.脳卒中(脳梗塞、脳出血) 2.椎骨脳底動脈循環不全
- お年寄りに多いめまい
「お年寄りに多いめまい」の特徴は、原因を簡単に明らかにできないところです。若い人であれば、「めまい」にともなって難聴や耳鳴りが生じれば、耳に原因があるとわかります。ところがお年寄りは、もともと耳鳴りがあったり、以前から難聴であることが少なくありません。こういう状況の下で「めまい」がおこったとしても、かならずしも耳に原因があるとはいえないのです。「めまい」の感じ方もかならずしも典型的ではありません。回転性の「めまい」がおこるような病気であっても、揺れるような「めまい」として感じることがあります。このように、診断がむずかしいのが「お年寄りに多いめまい」です。
お年寄りが起こす「めまい」の原因
1.起立性低血圧 2.椎骨脳底動脈循環不全 3.脳梗塞・脳出血 4.脱水
治療の流れ
さまざまな検査を実施して、「めまい」の原因となる病気を特定します。病気により治療法が異なるので、まずは原因究明をすることが先決となります。