ふらつく… 話しにくい…
それは“神経の病気”かも!
歩いているとふらつく…
手の動きが不器用になる…
言葉が出にくい…。
年齢や体力のせいにしてしまいがちな
こうした変化の背景に、「脊髄小脳変性症」という
病気が隠れていることがあります。
この病気はゆっくりと進行する神経疾患ですが
早期に診断し、適切なケアを続けることで
生活の質を保つことができます。
少しでも「おかしいな」と感じたら、
神経内科専門医にご相談ください。
脊髄小脳変性症とは?
脊髄小脳変性症(SCD)は、
小脳や脊髄に異常が起こり、
体のバランスや動作の調整が
うまくいかなくなる病気の総称です。
代表的な症状は、
以下のような「運動失調」に関連するものです。
□まっすぐ立ったり歩いたりする際にふらつく
□手先が不器用になり、物をつかみにくい
□発音が不明瞭になり、話しづらくなる
□字がうまく書けない、動作が遅くなる
脊髄小脳変性症の診断は、こうした症状が出ている場合に、
他の病気(感染症・中毒・腫瘍・脳卒中・栄養障害など)
によるものでないことを、
脳波検査やMRI、血液検査、神経学的所見などを通して
慎重に確認したうえで行われます。
この病気には、
親から遺伝するタイプ(遺伝性)と、
遺伝とは関係なく発症するタイプ(孤発性)
があります。
また、症状の出方も「小脳のみの障害」と
「小脳+他の神経系の障害」とで分かれます。
神経内科での
診断と治療の特徴
脊髄小脳変性症は、
症状が少しずつ進行するため、
気づきにくく見過ごされがちな病気です。
大阪・都島の氷室クリニックでは、
ふらつきや言葉のもつれなどのわずかな変化に注目し、
脳波検査や、必要に応じてMRI検査や神経伝導検査、
バランス機能検査などを組み合わせて、慎重に評価を行います。
脊髄小脳変性症の
治療とケア
現時点で、この病気を完全に治す
根治療法は見つかっていません。
しかし、症状の進行を少しでも遅らせ、
日常生活を快適に送るための
対症療法やリハビリテーション、
生活環境を整えることが重要です。
主な治療内容
□セレジスト®(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体)などによる運動失調症状の軽減
□足のつっぱり感やめまいなど、症状に応じた薬物療法
□歩行訓練やバランス強化などの集中的なリハビリ(特に純粋小脳型に効果が期待されています)
□日常生活動作(ADL)に合わせたサポート
など
当院では、病状のタイプと重症度に応じて、
リハビリテーション(セラピスト)とも連携しながら、
患者さま一人ひとりに合った生活支援を行います。
よくある質問(FAQ)
Q1.
この病気は遺伝しますか?
A1.
一部のタイプは遺伝しますが、多くの方は遺伝と関係のない孤発性です。
診察時にご家族の病歴などを確認し、必要に応じて遺伝子検査も検討します。
Q2.
リハビリは本当に効果がありますか?
A2.
はい。純粋小脳型では、バランスや歩行などの運動機能に対するリハビリが有効だとされ、終了後もしばらく効果が持続することがあります。
Q3.
どのタイミングで受診すべきですか?
A3.
「歩きづらい」「手が震える」「声が出にくい」など、小さな変化でも続く場合は早めの受診をおすすめします。
ふらつきや話しづらさなど、
「年齢のせいかも」と思う変化が、
実は早期の神経疾患のサインであることもあります。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。