繰り返す「発作」…
原因は“脳の電気信号の乱れ”?
突然のけいれんや、
意識がぼんやりする発作を繰り返している。
「疲れてるだけじゃない?」
と周りから言われたけれど、
どこか違和感がある…。
「てんかん」は、
脳の神経細胞の電気的な異常興奮によって、
けいれんや意識障害などの発作が
繰り返し起こる慢性の病気です。
発作の出方は人によって異なり、
診断や治療には専門的な判断が必要です。
ご本人はもちろん、
ご家族や学校・職場での理解と支えも含めて、
正確な診断と適切な治療方針がとても大切です。
「てんかん」とは?
てんかんは、脳の電気信号が、
一時的に異常を来すことによって発作が起こる病気です。
発作は、以下のように多様な形で現れます。
□けいれん
□意識の喪失
□体のこわばり
□視線が止まる
□記憶が一部飛ぶ
脳のどの部分で異常な電気的興奮が起きるかによって、
症状の種類も変わります。
また、発作は突然起こることが多く、
ご本人は記憶にないこともあります。
てんかんの患者数は
人口10万人あたり200~300人といわれており、
比較的多い病気です。
けいれんを伴う病気は他にもありますが、
てんかんの診断には「繰り返す発作」と
「脳波検査による異常波形の確認」が必要です。
神経内科での
診断の進め方
てんかんは、
□発作の回数や内容
□前後の状態
□脳波の検査結果
などを総合的に評価して診断します。
特に脳波検査は、てんかんの診断には欠かせない検査です。
大阪・都島の氷室クリニックでは、脳波検査に加えて、
必要に応じてMRIや血液検査も併用し、
器質的な疾患(脳腫瘍、脳炎、血管奇形など)
との鑑別も行います。
なお、基礎疾患によるけいれん(例:脳炎、腫瘍など)の場合は、
てんかんとは区別し、原因疾患への対応を優先します。
「てんかん」の
治療方針
てんかん治療の基本は薬物療法です。
発作のタイプに応じて、第一選択薬・第二選択薬があり、
患者さまごとに適した薬剤を選択します。
治療のポイントは以下の通りです。
□薬の血中濃度を確認しながら、有効かつ安全な量を決定
□なるべく単剤で治療を行い、副作用のリスクを抑える
□難治性の場合は複数の薬を併用することもあり得ます
□一部では外科的治療やVNS(迷走神経刺激療法)も検討されることがあります
また、薬物療法と並行して、
「生活リズムの安定(睡眠不足の回避・服薬の継続)」が非常に重要です。
風邪や発熱、過労なども、
発作を引き起こす要因となるため、体調管理も欠かせません。
当院では、患者さんの体調の変化をこまめに確認しながら、
副作用のモニタリングも含めた丁寧なサポートを行っています。
よくある質問(FAQ)
Q1.
一度だけの発作でも診察すべきですか?
A1.
はい。初発の発作であっても、背景にてんかんが潜んでいる可能性があります。
特に10代~40代の方で発作が見られた場合は、早めの受診をおすすめします。
Q2.
てんかんの治療は一生続きますか?
A2.
発作の種類やコントロール状況によります。
長期間発作がない状態が続けば、薬の減量や中止を検討できる場合もあります。
ただし、自己判断で中断すると再発のリスクが高まります。
Q3.
日常生活で気をつけることはありますか?
A3.
睡眠不足、飲酒、ストレスなどが発作の引き金になることがあります。
規則正しい生活、服薬の継続、医師との定期的な連携が大切です。
てんかんは、
“正しく診断し、きちんと治療すれば安定した生活が送れる”
病気です。
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