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神経内科コラム

これって、もの忘れ?認知症? 認知症専門医が診わけるもの忘れの原因!

【監修】氷室クリニック院長・氷室公秀(医学博士・神経内科専門医・認知症専門医)

Contents

もの忘れ?
認知症?

「最近、名前がすぐに出てこない」

「買い物に行ったのに、何を買うか忘れてしまった」

そんな小さなもの忘れに、不安を感じたことはありませんか?

もの忘れというと、真っ先に「認知症」を連想する方が多いかもしれません。
けれども、実際には認知症以外にも、さまざまな原因で記憶のトラブルが起こることがあります。

また、認知症の中にも、さまざまな種類があり、治療方法も異なります。

単なる年齢のせいだと決めつけず、一人ひとりの「もの忘れ」の背景をていねいに見極める認知症専門医の診断を受けてみてはいかがでしょう。

単なる「もの忘れ」か、「認知症」の初期症状か…。

それがわかるだけで、将来の安心につながる場合もあります。

「もの忘れ」の原因はさまざま


一口に「もの忘れ」と言っても、その原因はさまざまです。
大きく分類すると以下の4つに分けられます。


【加齢に伴う自然な記憶力の低下】
 誰にでも起こる、ごく軽いものです。

【うつ病による集中力・記憶力の低下】
 「やる気が出ない」「頭が働かない」と感じることが多いケースです。

【ストレスや過労による一時的な記憶障害】
 仕事や家事の忙しさが原因で一時的にぼんやりすることがあります。

【睡眠不足や生活リズムの乱れ】
 睡眠の質が低下すると、記憶の整理がうまくできなくなる場合があります。

これらは、認知症とは別の仕組みで起きている「もの忘れ」であり、
適切なケアによって回復できる可能性が十分にあります。

一方、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症といった病気が背景にある場合もあり、
正確な診断が非常に重要になります。


【アルツハイマー型認知症】
 最も頻度が高く、記憶障害を中心に徐々に進行します。
 初期には「同じことを何度も尋ねる」「予定を忘れる」などが目立ちます。

【脳血管性認知症】
 脳梗塞や脳出血による脳の損傷が原因で発症します。
 「まだらボケ」と呼ばれ、しっかりしている時と混乱する時が交互に見られることが特徴です。

【前頭側頭葉型認知症】
失語症を伴ったり人格変化を伴う認知症で初期には物忘れを生じないため受診が遅れる傾向があります。

【レビー小体型認知症】
幻覚·妄想や大きな寝言を伴い、歩行困難などのパーキンソン症状を伴う認知症です。

【正常圧水頭症】
 脳脊髄液の流れが滞ることで脳が圧迫され、歩行障害·尿失禁·認知機能低下が起こる病気です。
 脳外科手術(シャント手術)で症状が改善する可能性があります。

【慢性硬膜下血腫】
 頭部打撲後に血液が脳を圧迫し、認知機能の低下やふらつきを引き起こすことがあります。
 こちらも手術による改善が期待できます。

【甲状腺機能低下症】
 甲状腺ホルモンが不足することで、集中力低下や記憶障害を起こすことがあります。
 薬物治療によるホルモン補充で回復が期待できます。

神経内科では
もの忘れの「質」を診わけます


もの忘れの原因を見極めるためには、詳細な問診に加え、MRIなど必要に応じた検査を含めた総合的な評価が必要です。

神経内科では、患者さま一人ひとりの「もの忘れ」に応じて以下のような検査を組み合わせて、「単なる加齢によるもの」か「治療が必要な病気によるもの」かを丁寧に判断していきます。 

□詳細な問診
□認知機能検査(MMSE、時計描画テストなど)
□MRIなどの脳画像検査
□必要に応じた血液検査(甲状腺機能など)

こんな「もの忘れ」は、
早めに相談を


次のような変化に気づいたら、神経内科で受診されることをおすすめします。

✅ 同じことを何度も繰り返して尋ねる
✅ 最近の出来事を忘れることが増えた
✅ 買い物や約束ごとを忘れることが目立つ
✅ 自分自身でも「最近おかしいかも」と感じる
✅ ストレスや疲れがたまると忘れっぽくなる

特に、「本人より周囲が変化に気づく」場合は、注意が必要です。


早期に原因を探り、必要なサポートを始めることで、
症状の進行を防いだり、生活の質を保つことが可能になります。


もの忘れが気になってきた!
このもの忘れ大丈夫かな?

そう思ったら、まずは認知症専門医にご相談ください。

もの忘れは、年齢に関係なく誰にでも起こる可能性のある症状です。
だからこそ、「放っておく」のではなく「きちんと確かめる」ことが大切です。

大阪・都島の氷室クリニックは、院長が認知症専門医で、これまで多くの「もの忘れ」の診療に携わってきました。
「あいまいな不調」を見極め、心と体のバランスまで含めた診断・治療を行う専門医でもあります。

「まだ若いから大丈夫」

「忙しいだけだと思う」

そんなふうに思っているうちに、症状が進んでしまうこともあります。

小さな違和感も、放っておかないことが大切です。
気になることがあれば、一度ご相談ください。
あなたのこれからを共に考え、必要な医療サポートを行っていきます。

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